名古屋市立大学看護学部 名古屋市立大学大学院看護学研究科 クリティカルケア看護学

東海臨床倫理研究会

これまでの研究会開催の様子を紹介しています。

第8回東海臨床倫理研究会

2020年6月23日(火)に名古屋市立大学看護学部で開催しました。

テーマ:新型コロナウィルス感染症事例に対する臨床倫理的視点
講 師:稲葉一人先生(中京大学法務総合教育研究機構・教授)

新型コロナウイルス感染症対策のため参加人数を制限し、例年実施しているグループワークによる事例検討はできないと考え、稲葉先生のご講演をもとに皆様にお考えいただくような内容で計画いたしました。

講演の内容は、倫理コンサルテーションやCBELなどのこれまでの臨床倫理のあゆみ、日本臨床倫理学会の現在の活動とこれから行われるオンライン臨床倫理レクチャーの紹介でした。また、新型コロナウイルス感染症蔓延下で生じた治療やケアの差し控え、意見が言いにくい組織風土など臨床倫理的問題の事例をご提示いただき、参加者が個々で考える時間もありました。

参加者は49名。ちょうど6月19日に移動制限が解除されましたので、東海3県以外からのご参加もありました。新型コロナウイルス感染症への対応に少しでも活かしていただければ、と思います。

第7回東海臨床倫理研究会

2019年6月18日(火)に名古屋市立大学看護学部で開催しました。今回も東海精神看護CNS事例検討会、名古屋市立大学看護学研究科CCNS勉強会との共催です。

テーマ:自殺企図患者の治療方針決定場面での倫理的問題

患者は、縊頸状態で発見され、心停止後症候群にて集中治療を受けている10代後半の女性です。集中治療室入室8日目、自発呼吸はなく、血圧低下が認められ、無活動脳波の状態で、医師から両親に①最低限の治療による看取り、②生命維持装置の中止、③臓器提供の3つの選択肢が示されました。これに対して両親は、臓器移植は希望しないという意思を表示しました。

グループワークによって、患者が自殺に至った経緯、このような状態での推定意思、家族の受け止め方、脳死状態における患者のQOL、この患者への最善の治療・ケアなどが話し合われました。

最後に稲葉先生から、ひと手間かけた倫理的対応、救急・集中治療における終末期医療、患者の推定意思と家族による代行決定、意思決定支援のプロセスなどの考え方を教えていただきました。

参加者は54名。今回も看護師、医師、臨床心理士、事務職など多職種の方々がご参加くださいました。自分以外の職種や他施設の方々との議論で、新たな気づきも多かったようです。

臨床倫理学会で倫理コンサルテーション1を担当しました

2019年3月30日、臨床倫理学会第7回年次大会で倫理コンサルテーションを開催しました。

テーマ:重度低酸素脳症患者の治療撤退に関する倫理的課題

座長:稲葉一人(中京大学法科大学院)
事例提供:上野沙織(京都第二赤十字病院)
事例検討進行:明石惠子(名古屋市立大学看護学部)

突然の心停止後、心肺蘇生により自己心拍が再開した事例で、経皮的心肺補助装置による補助循環が開始され、体温管理療法が行われました。心停止の原因は、以前から指摘されていた脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血とそれによるたこつぼ心筋症からの心室細動であることがわかり、CT上、低酸素脳症の所見が認められました。くも膜下出血を認めているため経皮的心肺補助装置は抜去され、高流量のカテコラミンが投与されています。第4病日に体温管理療法が終了し、頭部CT検査と脳波検査の結果、低酸素脳症の悪化、脳波はほぼ平坦で瞳孔散大、脳神経反射消失が確認されました。自発呼吸はなく人工呼吸器に依存しています。これらの結果をふまえ、医師は家族に脳死に相当する状態であること、現行治療を継続するのか、治療を差し控えるのか、差し控えるならば臓器提供の選択肢があることを説明し、数日中に返事が欲しいと伝えました。その後、家族間で話し合い、第8病日に夫から、本人が延命治療を望まないと言っていたこと、家族の総意として臓器提供は希望せず人工呼吸器を外し挿管チューブも抜去して欲しいこと、それが死に直結し数分で死に至るとしても立ち会った上ですべての治療介入を中止することを強く希望すると伝えられました。

グループワークの結果、患者の推定意思を考えることの難しさ、治療の継続による患者の苦痛、家族の代理意思決定に必要な情報の提供、家族個々の気持ち、臓器提供に関する説明のタイミングなど、さまざまな意見が出ました。

臨床倫理学会の倫理コンサルテーションを担当させていただくのは5回目ですが、参加者は過去最高で、150名くらいだったと思います。椅子のない方も数十名。開始前は、このような状況でグループワークができるのか不安でしたが、事例紹介の後、少し声をかけただけですぐにグループが形成され、話し合いが始まりました。さすが、倫理に関心のある方々の集まり、と思いました。

救急医学会中部地方会で「東海臨床倫理研究会」を開催しました

2018年12月1日、三重大学で開催された第21回救急医学会中部地方会で、下記の事例検討会を開催させていただきました。

テーマ:倫理的問題を多職種で考えよう!

-公正証書による事前指示書を持参した高齢認知症患者-

進行:明石惠子(名古屋市立大学看護学部)
コメンテーター:稲葉一人(中京大学法科大学院)、山口均(一宮市立市民病院 救命救急センター )
事例提供:宮部浩道、加藤万里子(総合大雄会病院)

慢性心不全急性増悪の高齢男性患者。もともと治療には積極的ではありませんでした。数年前から認知症のために施設に入所しており、今回の入院時、施設で作成された公正証書を持参しました。その内容は「人工呼吸器の装着は希望します」「電気ショックは希望しません」「不治の状態に陥り、すでに死期が迫っていると医師により判断された場合は延命処置を行ってください」などでした。しかし、患者は「何もしてくれるな」「家に帰る」と発言しています。

これまで、救命処置に対する本人の意向がわからず、事前指示やAdvance Care Planning(ACP)の必要性を検討した事例はありましたが、事前指示書を持参した事例の検討は初めてでした。しかし、今回の事例では、入院時の患者の言葉と事前指示の内容が乖離していました。また、心肺停止に陥った場合、救命し得るのは突然の心室細動に対する除細動が有効であった場合のみであると予測されますが、その除細動を希望しない、という内容となっています。
グループワークの結果、事前指示書の作成経緯や作成時の患者の理解力・判断力から有効性を考えること、現時点の患者の認知機能や家族の意向をふまえた治療方針の検討、慢性心不全の終末期にあると思われる患者に対する緩和ケアの必要性などが議論されました。

最後に、稲葉先生から今回の事前指示書は「事実実験公正証書」であり、変更にはその意思が明白に示され、確度の高い資料が求められることを教えていただきました。

今回のグループワーク参加者は31名(看護師:23名、医師:5名、救急救命士:3名)で、職種を超えた議論ができたと思います。また、当日、学会会場で出会った名古屋市立大学医学部・看護学部の卒業生も参加してくれました。

臨床救急医学会でワークショップを開催しました

2018年6月2日、名古屋国際会議場で開催された第21回臨床救急医学会学術集会において、下記のワークショップ(WS)を開催させていただきました。

テーマ:救急現場での倫理的問題を多職種で考えよう!
〜乳児の心肺蘇生処置場面への家族の立ち合い〜

進行:明石惠子(名古屋市立大学看護学部)
コメンテーター:稲葉一人(中京大学法科大学院)、山口均(一宮市立市民病院 救命救急センター )
事例提供:松井智子(一宮市立市民病院 救命救急センター)

救急搬送された目撃のない心肺停止の乳児。救命の見込みがほとんどない中で、いつまで心肺蘇生を継続するのか、どのようなタイミングで母親に面会してもらうのか、どのように家族を支援するのか・・・。救急現場で誰もが迷う場面です。全力で患児の救命処置を行うなかで、母親の様子も気になります。議論の中で、救急救命士の役割が浮かび上がりました。病院到着まで患者と家族の様子を見ている救命救急士が家族のフォローをする、ということです。救急救命士の発言がきっかけですが、「多職種」による議論だからこそ出てきた意見だと思いました。

ワークショップ開始時には、50数名の方が参加してくださっていたのですが、趣旨説明と事例紹介のあたりで少しづつ退席され、事例検討の参加者は25名でした(事例検討が目的のWSだったのですが・・・)。しかし、医師、看護師、薬剤師、診療放射線技師、救急救命士の皆様にご参加いただき、「多職種で考えよう!」という目的は達成できたと思います。ありがとうございました。

第6回東海臨床倫理研究会

2018年5月29日に名古屋市立大学看護学部で開催しました。今回も東海精神看護CNS事例検討会、名古屋市立大学看護学研究科CCNS勉強会との共催でした。

テーマ:「超高齢者における集中治療と緩和医療」

慢性心不全のために集中治療を受けている90歳代男性の治療方針をめぐる議論でした。医師は、慢性心不全の終末期であると判断し、緩和医療を考えています。患者本人は意識が低下しているため、妻と長男・長女に病状と治療の選択肢が説明されました。70歳代の妻はできることはすべてしてほしいと、積極的治療を望んでいます。長男・長女は緩和医療を望んでいるようですが、母親にその気持ちを伝えられない状況でした。

この事例について、最期までその人らしく生きることや代理意思決定者への支援についてグループ討議と全体討議を行いました。最後に稲葉先生からこの事例を通して、医療の限界をいつ、だれが、どのような基準で決めるのかについて、考え方を教えていただきました。

参加者は64名。ほとんどが名古屋市内の方でしたが、京都や岡山からも来ていただき、研究会の広がりを感じました。

臨床倫理学会で倫理コンサルテーション3を担当しました

2018年3月17日、臨床倫理学会第6回年次大会で「予後不良な乳児への集中治療継続をめぐる葛藤」をテーマに倫理コンサルテーションを担当させていただきました。

生後1か月で先天性肺血管異常のためPICUに入室し、回復が望めない乳児の治療方針について、医師の治療方針と両親の望む治療が一致しない状況で、児の尊厳を議論しました。

第5回東海臨床倫理研究会

2017年6月27日(火)に名古屋市立大学看護学で開催しました。今回も東海精神看護CNS事例検討会、名古屋市立大学看護学研究科CCNS勉強会との共催でした。

テーマ:「高齢認知症患者の手術に対する意思決定」

患者は80歳代の女性で、認知症(HRS-R20点、失見当識、実行遂行障害)が認められ、要支援2でした。胸腹部大動脈瘤と診断され、外来で手術の説明がなされました。手術に対して家族は慎重な姿勢でしたが、患者が「曾孫の七五三のお祝いをするまで死ねない」と手術を強く希望したため、手術が予定されました。しかし、入院当日の手術の説明において、医師は認知症のあることに初めて気づき、手術の危険性が大きいと判断しました。それでも、患者は手術を強く希望しましたが、家族の説得に押し切られて、手術が中止となり退院されました。

この事例の手術に対する意思決定プロセスおける倫理的問題とその対応についてグループ討議と全体討議を行いました。そして最後に稲葉先生による事例の解説と「認知症の人の意思決定支援」のミニレクチャー。認知症とひとくくりにするのではなく、医療者には、その人が理解できるように説明するとともに、自己決定したことを尊重するという姿勢が重要であることを学びました。

今回の参加者は79名。参加者の多くは、看護師資格を有する人たちですが、医師、社会福祉士、医療相談室の方々にもご参加いただき、いつもより「多職種」感がありました。認知症患者の意思決定という日常臨床で遭遇しやすい問題であり、皆様の関心を集めたのだと思います。

第4回東海臨床倫理研究会

2016年5月31日(火)に名古屋市立大学看護学部で開催しました。
今回は、東海精神看護CNS事例検討会、名古屋市立大学看護学研究科CCNS勉強会との共催とし、テーマは「列車との衝突によって救急搬送された統合失調症患者への対応と倫理問題」でした。

患者は外傷性出血性ショック状態で、手術が必要だと判断されました。しかし、意識は清明で会話は可能ですが、独語も多く、医療者との会話が成立せず、治療に対する患者の明確な同意を得ることが難しい状況でした。さらに、家族にも連絡がつかない状況で緊急手術が行われ、この場面に居合わせた看護師は、対応への疑問を感じました。この事例に対して、看護師がなぜ、疑問を感じたのかを中心に、緊急手術の必要性、精神症状を有する患者の意思決定能力、説明と同意のあり方などが議論されました。

今回の参加者は61名で、1/3が精神領域の方々でした。医師2名と事務職員1名のご参加もあり、各グループで活発に議論されました。また、クリティカルケア看護と精神看護では、患者に対する感じ方や見方も異なり、興味深い議論となりました。最後に、いつものように稲葉先生からご助言をいただき、改めて患者の権利や自己決定能力を考える機会となりました。

第3回東海臨床倫理研究会in浜松

2016年2月14日(日)に浜松医療センターで開催しました。
今回は浜松での初めての開催でもありましたので、最初に稲葉先生にご講演をしていただきました。「認知症の人の法・倫理問題」について、自己決定権や意思決定能力と意思決定支援に関する最新の考え方をご教示いただきました。

事例検討は、認知力低下が疑われた高齢患者の治療方針決定に関わる倫理問題でした。事例は心房細動による強い胸部絞扼感のために受診し、抗不整脈薬によって症状は治まりました。しかし、医師の示す治療方針に納得できず、興奮する場面がありました。家族も患者の精神状態に不安を感じていました。このような状況で、どのような倫理問題あるのか、看護師として患者・家族・医師にどのように関わるかをグループで議論し、最後に全員で議論しました。

参加者は24名と多くはありませんでしたが、見過ごされやすい問題に気づくことができました。講演と事例検討、その後の懇親会と中身の濃い研究会でした。写真を撮り忘れてしまいましたので、リーフレットを掲載しておきます。

第2回東海臨床倫理研究会

2015年6月2日(火)に名古屋市立大学看護学部で開催しました。今回のテーマは「縦隔腫瘍に対する緊急手術を必要とする妊婦の意思決定支援」。強い呼吸困難のため全身麻酔による気管内ステント留置と帝王切開が予定され、それによる胎児への影響が心配される状況における妊婦および家族の意思決定支援について、どのような倫理的問題が生じているのか、そこに居合わせたらどのような行動をとるかを検討しました。

参加者は47名。妊婦さんの事例ということもあって参加者の1/3が助産師さんや本学助産学の大学院生でした。妊婦や胎児の身体状況、妊婦や家族の関係性や心理状態などについて、それぞれのもつ知識や経験をもとに熱心な議論が行われました。

第1回東海臨床倫理研究会

2014年7月5日(土)に三重大学病院で開催しました。
今回のテーマは「護ってますか? 救急場面での子どもの人権」

まず、小児救急の現状と小児医療における臨床倫理の動向(小児科医より)、小児における看護倫理(小児看護専門看護師より)、小児のトラウマケア(臨床心理士より)のミニ講演会を行い、大人とは異なる子どもの倫理問題についての理解を深めました。

次いで、交通外傷によって救急搬送された小児事例について、同乗していた家族がなくなっていること、それによる今後の生活場所の変化などをどのように伝えれば良いのかに焦点を当てて議論しました。

参加者は、ミニ講演会講師や事例検討のアドバイザーなどを含めて49名。看護師、医師、チャイルドライフスペシャリスト、児童相談員など、職種の範囲も広がりました。

第14回東海救急看護研究会

2014年3月21日(金・祝)14:00から名古屋市立大学看護学部で第14回東海救急看護研究会を開催いたしました。
治療方針に疑問をもち、救急外来を受診した他院入院中の重症心疾患のある壮年期の男性事例について、症例検討シートを用いて検討しました。

今回はグループワークを段階的に行いました。事例紹介の後、まず、グループで事例の問題や疑問を話し合いました。その疑問に対して事例提供者に答えてもらい、さらに、グループで対応方法を検討し、その結果を発表していただきました。そして最後に稲葉先生から、救急外来における予診とトリアージ、救急看護の倫理対応モデルをご呈示いただき、医学的処置が優先されるなかでの患者の意思を尊重した関わりの必要性をご助言いただきました。

本日の参加者は27名。研究会発足から5年が過ぎ、研究会のあり方を考える時期であるようにも思います。救急事例を中心としながらも、認知症やがん終末期の事例などの倫理的問題も検討していきたいと思います。

第13回東海救急看護研究会

2013年11月23日(土)、アクトシティ浜松で、第16回日本救急医学会中部地方会・パネルディスカッションとして、第13回東海救急看護研究会を開催しました。

テーマは「高齢者救急のその後-暮らしを見据えた連携」

座長は臼井先生(愛知医科大学看護学部)と明石、パネリストは救急救命士、救命救急センターの医師と看護師、医療福祉相談室のMSW、高齢者施設の看護師で、高齢者救急の様々な問題を議論しました。また、いつもお世話になっている稲葉一人先生(中京大学法科大学院)に高齢者救急における法的問題や倫理的問題を解説していただきました。

第12回東海救急看護研究会

2013年6月15日(土)、岐阜じゅうろくプラザで、第21回日本集中治療医学会東海北陸地方会・共催セミナーとして、第12回東海救急看護研究会を開催しました。

急性心筋梗塞で救急搬送された70代後半の女性で、VFが出現し、心肺蘇生を要した事例は、かろうじて意思疎通できる状況でした。代理意思決定者である娘は、事例への思いが強すぎて治療方針を決められず、看護師もどのように関われば良いか悩んだ事例でした。

症例検討シートを用いてグループ討議を行い、最後にコメンテーターの大下大圓先生から、スピリチュアルケアも含めてこのような事例への関わりをご教示いただきました。

第11回東海救急看護研究会

2013年2月9日(土)14:00から名古屋市立大学看護学部で第11回東海救急看護研究会を開催いたしました。

外傷で救急搬送されたパニック障害患者に薬物中毒の疑いがあり、警察から薬物検査を指示された事例について、症例検討シート(医学的適応、患者の意向、QOL、周囲の状況)用いて検討しました。いつものように活発な意見交換と発表が行われ、最後にコメンテーターの稲葉先生から、守秘義務と個人情報保護を基本にこの事例の法的な考え方のポイントをご教示いただきました。

今回の参加者は36名。私たちの研究グループメンバー9名と参加申し込み者27名でした。名古屋だけでなく、岐阜、三重、大阪からのご参加があり、救急隊の方も参加してくださいました。終了後は、懇親会・・・。

第10回東海救急看護研究会

2012年11月2日、第14回日本救急看護学会学術集会・交流セッションとして、第10回研究会を開催しました。

事例は、緊急手術・治療の継続を望まない急性腹部大動脈閉鎖患者の家族で、稲葉一人先生にご助言をいただきました。

医療者側は、緊急手術による救命の可能性、家族は手術後の患者のQOLを考え、その間で看護師も、医師も悩み抜いた事例です。今回、初めて症例検討シートを用いて、「医学的適応」「患者の意向」「QOL」「周囲の状況」の4つの視点で情報を整理して検討しました。

第9回東海救急看護研究会

2012年10月13日(土)、第15回日本救急医学会中部地方会の看護企画として、第9回研究会を愛知医科大学で開催しました。

事例は、治療の意思決定ができない救急患者の終末期ケアで、大下大圓先生にご助言をいただきました。学会の朝9:00からの開始で、一般演題の発表時間とも重なったためか参加者は30名と少なかったのですが、各グループで活発な議論が交わされました。

第8回東海救急看護研究会

第8回研究会として、シンポジウム&事例検討会を下記の通り開催いたしました。

日 時:2012年3月3日(土)13:00~16:30
場 所:三重大学医学部附属病院
テーマ:見逃していませんか? 救急外来で出会う小児虐待
シンポジウム「救急外来で出会う小児虐待への対応」
演者:髙村純子氏(国立病院機構三重病院・医療社会事業専門員)
大山美華氏(名古屋掖済会病院・小児救急看護認定看護師)
今井寛氏(三重大学医学部附属病院・救命救急センター長・教授)
稲葉一人氏(中京大学法科大学院・教授)
事例検討「小児虐待が疑われ対応に苦慮した事例」

今回は、看護師以外に医師2名、メディカルソーシャルワーカー1名、臨床心理士2名、そして児童相談所から2名と、いろいろな職種の方にご参加いただきました。シンポジウムでも、事例検討でも、それぞれのお立場からのご発言があり、とても有意義な議論となりました。虐待を予後不良疾患ととらえ、最悪の結果にならないよう虐待を見逃さない・見過ごさない対応、子どもの保護と親への育児支援、MSWや児童相談所との連携など、具体的な意見が出されました。

第7回東海救急看護研究会

2011年10月21日、第13回日本救急看護学会学術集会において、昨年と同様に交流集会企画として、事例検討会第2弾を開催しました。

今回のテーマは、自殺企図の患者が帰宅する際の対応でした。うつ病で通院中の患者が大量服薬して救急搬送され、治療後に帰宅を希望しますが、頼れる家族がいないため、医療者は再び自殺を図る危険性を感じました。このような場合の対応について、倫理的に、法的にどのように考えればよいのかを議論しました。
アドバイザーは、稲葉一人先生でした。いつものように問題点を整理し、自殺に関する判例をもとに丁寧に解説をしてくださいました。

グループワークに参加してくださった方は59名で、昨年の参加者も数名おられたようです。また、進行やファシリテーター、会場係を務めた開催側のメンバーが14名、さらに、事例検討開始後に会場に入られ、議論や発表、稲葉先生のコメントを見学されていた方が40名程おられましたので、参加者は100名以上になりました。
終了後に、「参加して良かった」「来年も開催してほしい」などのお声もあったようです。来年度の開催を前向きに検討したいと思っています。

第6回東海救急看護研究会

2011年2月5日(土)14:00から名古屋市立大学看護学部で第6回東海救急看護研究会を開催いたしました。
参加者は32名。6つのグループに分かれて、心筋梗塞による呼吸循環不全の治療に対する意思決定をテーマとした事例検討を行いました。

いつものように活発な意見交換と発表が行われ、最後にコメンテーターの稲葉先生から、事例検討の方法を含めて、事例に対する基本的な考え方や倫理的側面の問題のとらえ方などを教えていただきました。

なお、今回は、大阪の救急看護認定看護師さんや愛知医科大学の認定看護師教育機関で研修中の方など、東海地域を越えた方々にご参加いただいたことが特徴的でした。また、東海地域の方はリピーターが多く、この研究会の定着と広がりを感じました。

第5回東海救急看護研究会

2010年11月7日、第12回日本救急医学会中部地方会学術集会の看護企画・事例検討として、第5回東海救急看護研究会を開催いたしました。

今回は、看護師だけでなく、医師・救急救命士の方々にもご参加いただき、約50名が6つのグループに分かれて、議論をしました。検討事例は、1週間前の救急看護学会と同じでしたが、救急隊との連携をテーマにしました。他職種の方々との議論でしたので、これまでと異なる視点が加わり、充実した内容となりました。

第4回東海救急看護研究会

2010年10月29日、第12回日本救急看護学会学術集会交流集会として、第4回東海救急看護研究会を開催いたしました。

交流集会は、現在、私たちが取り組んでいる研究「救急医療の社会的・倫理的問題への対応能力向上に向けた救急看護師教育システムの開発」の一環として企画しました。そのことをご参加の皆様に説明後、事例検討と発表、そして、今回も大下大圓先生にご助言いただきました。

検討事例は、モラルハラスメントを受け自殺企図で救急搬送された高齢患者で、その心理・社会的問題と看護のあり方を検討しました。これまでと違い、全国学会ですので、何人くらいの方にご参加いただけるのか、初対面の方々同士でどのような議論になるのか、など心配は尽きませんでした。しかし、開催予定時間には、予定していた80名(最大1グループ10名×8グループと考えていました)以上のご参加を得ることができ、各グループで熱心な議論が展開されました。

第3回東海救急看護研究会

2010年6月12日、飛騨千光寺で第3回東海救急看護研究会を開催しました。

私たちが研究会を立ち上げてちょうど1年となる今回は、発足1周年記念サマーセミナー in 高山として、大下大圓先生に「救急看護におけるこころのケア」のご講演もお願いしました。スピリチュアルケアについてお話しいただき、瞑想法を体験させていただきました。

検討した事例は、CPA患者のご家族でした。突然の心肺停止に直面したご家族の気持ち、そのような患者家族への援助、そして対応に苦慮する看護師の思いなどをグループで話し合い、発表しました。

これらに対して大下先生から、身体的ケアと心理的ケアの両方を同時に行うのは難しいこと、患者、家族、医師、看護師、それぞれの立場によって考え方が異なるため倫理的な対応を必要とすることを教えていただきました。
大下先生のお話やグループワークを通して、看護は、本当にすばらしい仕事だと思いました。臨床現場で日夜活躍しておられる看護師さんたちは、とっても素敵です!

本日の参加者は25名と、いつもより少ない人数でした。半数以上がリピーターであり、初めての方は、郡上八幡や福井からお越しいただきました。新しいご縁に感謝です。初夏の心地よい風が感じられ、とてもゆったりした1日を過ごさせていただきました。

第2回東海救急看護研究会

2010年2月6日(土)14:00から名古屋市立大学看護学部で第2回東海救急看護研究会を開催しました。

参加者は42名。「輸血の免責同意書」を持参している緊急手術をめぐる問題、救急搬送入院後に離院した患者とその家族への対応の2事例について、検討しました。

今回もそれぞれの事例に対するグループ検討と発表を行い、参加者の皆様からいろいろなご意見をいただきました。そして、アドバイザーの稲葉先生から各事例における問題点や対応のポイントをとてもわかりやすくご説明いただきました。

第1回東海救急看護研究会

2009年9月7日(月)18:30から名古屋市立大学看護学部において、第1回東海救急看護研究会を開催いたしました。
参加者はなんと73名。名古屋市をはじめ、愛知県内、岐阜県、三重県から看護師、大学院生、そして医師の方々がご参加くださいました。

最初に本研究会の開催趣旨を明石が説明させていただき、次に、小児のネグレクト、高齢者のDNARに関する事例の紹介、そして10グループに分かれて、事例に対する考え方や対応方法などをご検討いただきました。その後グループ検討の結果をご発表いただき、最後にアドバイザーの稲葉先生にご助言をいただきました。

講演主体の研究会やセミナーが多いなか、ディスカッション主体の研究会だったので、実は参加者の反応が心配でした。しかし、グループ討議も発表も盛り上がり、参加者の皆さまから肯定的なお言葉をいただき、安堵しているところです。救急看護に対する関心の高さを実感するとともに、本研究会の開催方法を工夫する必要がありますね。

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